This is a draft of JP translation of 19edo.


19平均律、または19音平均律(英: 19 equal divisions of the octave, 19 equal temperament, 19edo, 19et)は、レギュラーテンペラメントの観点から見ると、オクターブを均等な19個のステップに分割した調律システムである。

それぞれのステップの周波数比は 2 の 19乗根であり、約 63.158 セントである。

理論

歴史

この調律システムへの関心は16世紀、作曲家の Guillaume Costeley が自身の1558年のシャンソン Seigneur Dieu ta pitié に使用した頃にさかのぼる。Costeley はこの調律の循環する側面を理解し、また欲しており、彼はこの調律を、純正長2度を3つのほぼ等しい間隔に分割するものと定義した。Costeley は減3度などの音程を活用した作品も作った。減3度は19平均律としては意味を持つが、当時の他の調律システムでは意味のないものである。

1577年、音楽理論家の Francisco de Salinas は、1/3-コンマミーントーン(en)を提案した。その5度の大きさは約 694.786 セントである。19平均律の5度は約 694.737 セントであり、これは約12分の1セント程低いだけである。Salinas はオクターブをこの調律方法で19音にチューニングすることを提案したが、19平均律と比べ1セントにも満たない差しかないので、彼の提案は実質19平均律であった。

1835年、数学者であり音楽理論家の Wesley Woolhouse は、彼自身がより良いミーントーン調律だと考えている50平均律(en)などの、より実用的な代替手段としてこの音律を提案した(Woolhouseのエッセイの要約)。

他の音律への近似として

19平均律の最も顕著な特徴は、ほとんど純正な短3度と、約7セント狭い完全5度・長3度を持っているため、ミーントーン(en)音律に適した調律として機能するということである。また、長3度5つの音程が "12度"(=完全5度+1オクターブ) 1つに等しいので、マジック(en)/マグルズ(en)音律にも適している。しかし、これら全てに対して、より適した調律が存在する。例えば、19平均律の5度はミーントーンの通常の5度よりも低く、より正確な近似としては31平均律がある。同様に、マジック音律のジェネレーターは長3度であるが、これも19平均律では低く、41平均律(en)がより正確に合う。マグルズ音律には適した調律になるが、19平均律の場合はマジックと同じとなる。また、19平均律7ステップの超長3度は sensi(en)に使うことができる。sensi のジェネレーターはかなり高い長3度で、2つで短6度(5/3)に近似する。しかし、sensi の13-リミット近似には27平均律(en)46平均律(en)の方がより適している。

しかし、これら全てにおいて、19平均律には必要なピッチがより少なくて済むという実践的な利点があり、その結果物理的な実現がより簡単になる。(たくさんの19平均律楽器が制作されてきている。) 19平均律は、12平均律に次いで二番目の、5-リミット音楽を許容出来る方法で扱うことのできる平均律であり、また、12平均律に次いで五番目のゼータ積分平均律(en)である。7倍音系短三度(7/6)と7倍音系全音(8/7)の間の区別がなくなってしまうので、19平均律は7-リミットではあまり上手くいかない(しかし12平均律よりは良い)。19平均律は negri, keemun, ゴジラ, マジック/マグルズ, triton/lieseに最適であり、さらにsensiにもかなり適しているという利点を有している。keemunやnegriはとてもシンプルな7-リミット音律であるという点で注目に値し、19平均律におけるMOSスケールは非常に豊富な7倍音系四和音を提供する。7-リミット四和音のGraham複雑度(en)はkeemunでは6、negriでは7、ゴジラでは8、ミーントーンでは10、tritonでは11、マジック/マグルズでは12、そしてsensiでは13である。

ゼータ積分調律なので、13-リミットは比較的よく表現されているが、一貫性がある表現がされているのは 2.3.5.7.13 サブグループのみである。実際には、19平均律は音を上にベンドできる楽器に適応的に使用できる。さまざまな大きさで、3, 5, 7, および13倍音はすべて低くチューニングされる。同じことは12平均律では言えない。12平均律では 5, 7倍音が 19平均律の場合よりも純正から遠くなるだけでなく、かなり高くなる。19平均律のnegri, sensi, semaphoreスケールには13-リミットのコードが多く含まれている。(通常のディミニッシュスケールに対する19edoの対応物としてsensi[8] 3L 5s MOSスケールを思い浮かべてみよ。どちらも2つのディミニッシュセブンスコードで構成されているが、sensi[8] では7と13倍音の追加の比率が得られる。)

別の選択は、伸長されたオクターブを使用することだ。ゼータ関数的に最適な調律のオクターブは約 1203 セントである。弦楽器、特にピアノは、弦に固有の不調和性のため、オクターブを伸ばして調律されることが多いため、19平均律はそれらにとって有望な選択肢となる。オクターブ伸長は、チューニングがずれている音程を、ほぼ正確に調整した、複合したあるいは反転した音程に置き換えることができることも意味する。たとえば、93ed30(30/1が純正である19平均律の変形)を使用すれば、ほぼ純正な短3度(6/5)、複合長3度(5/1)、および複合5度(6/1)が得られ、5-リミット調性ダイヤモンド内のすべての比が提供される。複合メジャー三和音とマイナー三和音(1:5:6 および 30:6:5)も同様にほぼ純正となる。

拡張されたハーモニーを得る手段として

素数倍音

部分セットと19平均律を含むセット

音程

# セント 近似周波数比 音程 ソルフェージュ Dodecatonic Notation
0 0.00 1/1 完全1度, ユニゾン P1 C ド(Do) P1
1 63.16 25/24, 28/27, 26/25 増1度, 減2度 A1, d2 C#, Dbb ディ(Di)
ロ(Ro)
A1, m2
2 126.32 15/14, 16/15, 13/12, 14/13 短2度 m2 Db ラ(Ra) M2, m3
3 189.47 9/8, 10/9, 125/112 長2度 M2 D レ(Re) M3
4 252.63 7/6, 8/7, 15/13 増2度, 減3度 A2, d3 D#, Ebb リ(Ri)
マ(Ma)
m4, a3
5 315.79 6/5 短3度 m3 Eb メ(Me) M4, m5
6 378.95 5/4, 16/13, 56/45 長3度 M3 E ミ(Mi) M5
7 442.11 32/25, 9/7, 13/10 増3度, 減4度 A3, d4 E#, Fb モ(Mo)
フェ(Fe)
A5, d6
8 505.26 4/3, 75/56 完全4度 P4 F ファ(Fa) P6
9 568.42 25/18, 7/5, 18/13 増4度 A4 F# フィ(Fi) A6, m7
10 631.58 36/25, 10/7, 13/9 減5度 d5 Gb セ(Se) M7, d8
11 694.74 3/2, 112/75 完全5度 P5 G ソ(So) P8
12 757.89 25/16, 14/9, 20/13 増5度, 減6度 A5, d6 G#, Abb スィ(Si)
ロ(Lo)
A8, m9
13 821.05 8/5, 13/8, 45/28 短6度 m6 Ab レ(Le) M9, m10
14 884.21 5/3 長6度 M6 A ラ(La) M10
15 947.37 7/4, 12/7, 26/15 増6度, 減7度 A6, d7 A#, Bbb リ(Li)
タ(Ta)
m11, A10
16 1010.53 9/5, 16/9, 224/125 短7度 m7 Bb テ(Te) M11, m12
17 1073.68 15/8, 13/7, 28/15, 24/13 長7度 M7 B ティ(Ti) M12
18 1136.84 48/25, 27/14, 25/13 増7度, 減8度 A7, d8 B#, Cb ト(To)
ダ(Da)
A12, d13
19 1200.00 2/1 完全8度, オクターブ P8 C ド(Do) P13



カラー表記においての音程の詳細度数とコードの名前

純正音程への近似

15-奇数リミット音程の写像

代表的な17-リミット音程

正則音律(regular temperament)の特徴

一様写像

コンマ

線形音律

スケール

MOSスケール

オクターブ等価MOS

他のスケール

楽器

音楽

関連項目

脚注

参考文献

外部リンク