User:Triethylamine/draft: 19平均律: Difference between revisions

ArrowHead294 (talk | contribs)
mNo edit summary
 
(6 intermediate revisions by one other user not shown)
Line 23: Line 23:
19平均律の最も顕著な特徴は、ほとんど純正な短3度と、約7セント狭い完全5度・長3度を持っているため、{{en仮リンク|ミーントーン|Meantone}}音律に適した調律として機能する所である。また、長3度5つの音程が「12度」(=完全5度+1オクターブ)1つに等しいので、{{en仮リンク|マジック|Magic}}/{{en仮リンク|マグルズ|Muggles}}音律にも適している。
19平均律の最も顕著な特徴は、ほとんど純正な短3度と、約7セント狭い完全5度・長3度を持っているため、{{en仮リンク|ミーントーン|Meantone}}音律に適した調律として機能する所である。また、長3度5つの音程が「12度」(=完全5度+1オクターブ)1つに等しいので、{{en仮リンク|マジック|Magic}}/{{en仮リンク|マグルズ|Muggles}}音律にも適している。


しかし、これら全てに対して、より適した調律が存在する。例えば、19平均律の5度はミーントーンの通常の5度よりも低く、より正確な近似としては[[31平均律]]がある。同様に、マジック音律の[[ジェネレーターとピリオド|ジェネレーター]]は長3度であるが、これも19平均律では低く、{{en仮リンク|41平均律|41edo}}がより正確に合う。マグルズ音律には適した調律になるが、19平均律の場合はマジックと同じとなる。また、19平均律7ステップの上長3度は[[sensi]] <span style="font-size: 80%">(英語版)</span> に使うことができる。sensiのジェネレーターはかなり高い長3度で、2つで長6度([[5/3]])に近似する。しかし、sensiの13-リミット近似には{{en仮リンク|27平均律|27edo}}や{{en仮リンク|46平均律|46edo}}の方がより適している。
しかし、これら全てに対して、より適した調律が存在する。例えば、19平均律の5度はミーントーンの通常の5度よりも低く、より正確な近似としては[[31平均律]]がある。同様に、マジック音律の[[ジェネレーターとピリオド|ジェネレーター]]は長3度であるが、これも19平均律では低く、{{en仮リンク|41平均律|41edo}}がより正確に合う。マグルズ音律には適した調律になるが、19平均律の場合はマジックと同じとなる。また、19平均律7ステップの上長3度は[[sensi|sensi <span style="font-size: 80%">(en)</span> ]]に使うことができる。sensiのジェネレーターはかなり高い長3度で、2つで長6度([[5/3]])に近似する。しかし、sensiの13-リミット近似には{{en仮リンク|27平均律|27edo}}や{{en仮リンク|46平均律|46edo}}の方がより適している。


しかし、これら全てにおいて、19平均律には必要なピッチがより少なくて済むという実践的な利点があり、その結果物理的な実現がより簡単になる(実際、たくさんの19平均律楽器が制作されてきている)。
しかし、これら全てにおいて、19平均律には必要なピッチがより少なくて済むという実践的な利点があり、その結果物理的な実現がより簡単になる(実際、たくさんの19平均律楽器が制作されてきている)。
Line 36: Line 36:


===ハーモニーを拡張する手段として===
===ハーモニーを拡張する手段として===
19平均律は 12平均律よりも多くの調和した協和ハーモニーを実現できるため、4度堆積、2度堆積、ポリコードなどの代替のハーモニーを使用する場合に適している。[[William Lynch]] (英語版) は、不完全とみなされている三和音とともに、さまざまな種類のセブンスコードを基本的な響きとして扱うことを提案している。12平均律では衝突する傾向がある、7倍音や他の非ダイアトニックコード的拡張を含む、より高次倍音への拡張は、19平均律ではより良く調和する。
19平均律は 12平均律よりも多くの調和した協和ハーモニーを実現できるため、4度堆積、2度堆積、ポリコードなどの代替のハーモニーを使用する場合に適している。[[William Lynch|William Lynch <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]]は、不完全とみなされている三和音とともに、さまざまな種類のセブンスコードを基本的な響きとして扱うことを提案している。12平均律では衝突する傾向がある、7倍音や他の非ダイアトニックコード的拡張を含む、より高次倍音への拡張は、19平均律ではより良く調和する。


さらに、[[Joseph Yasser]] (英語版) は、その内の7音メジャースケールが西洋音楽のペンタトニックに似たものになる、19平均律の12音スプラダイアトニックスケールのアイデアについて話している。将来の世代には曖昧で、トーンに活力がないように聴こえるかもしれない。言い換えれば、「音の重力という否定できない法則が存在するシステムでありながら、はるかに複雑な音の世界」である。Yasserは、音楽は最終的には12音スプラダイアトニックスケールを備えた19音システムに移行し、標準になるだろうと信じていた。これはまだ実現していないが、Yasserのスプラダイアトニック性の概念は興味深いものであり、異質に聴こえすぎずに調性を拡張したい人にとっては検討する価値がある。
さらに、[[Joseph Yasser|Joseph Yasser <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]]は、その内の7音メジャースケールが西洋音楽のペンタトニックに似たものになる、19平均律の12音スプラダイアトニックスケールのアイデアについて話している。将来の世代には曖昧で、トーンに活力がないように聴こえるかもしれない。言い換えれば、「音の重力という否定できない法則が存在するシステムでありながら、はるかに複雑な音の世界」である。Yasserは、音楽は最終的には12音スプラダイアトニックスケールを備えた19音システムに移行し、標準になるだろうと信じていた。これはまだ実現していないが、Yasserのスプラダイアトニック性の概念は興味深いものであり、異質に聴こえすぎずに調性を拡張したい人にとっては検討する価値がある。


19平均律はまた、{{en仮リンク|Bozujiチューニング|Bozuji tuning}}(Gioseffo Zarlinoの純正律へのアプローチに基づいた21世紀のチューニング) の音程のほとんどに非常に近似している。Bozujiチューニングの隣接するダイアトニックの減音程と増音程のほとんどは、19平均律の1つの音程で異名同音的に表される。
19平均律はまた、{{en仮リンク|Bozujiチューニング|Bozuji tuning}}(Gioseffo Zarlinoの純正律へのアプローチに基づいた21世紀のチューニング) の音程のほとんどに非常に近似している。Bozujiチューニングの隣接するダイアトニックの減音程と増音程のほとんどは、19平均律の1つの音程で異名同音的に表される。
Line 50: Line 50:
19平均律は8番目の{{en仮リンク|素数平均律|prime edo}}で、1つ前は[[17平均律]]、1つ後は[[23平均律]]である。
19平均律は8番目の{{en仮リンク|素数平均律|prime edo}}で、1つ前は[[17平均律]]、1つ後は[[23平均律]]である。


19平均律を2倍にした38平均律は、5-リミットマッピングのフラットな傾向とうまく機能する11倍音の近似を提供する。詳しくは[[undevigintone]] (英語版) を参照。57平均律は7倍音を効果的に純正に補正するが、最もよく適合するのは76平均律である。詳しくは[[meanmag]] (英語版) を参照。
19平均律を2倍にした38平均律は、5-リミットマッピングのフラットな傾向とうまく機能する11倍音の近似を提供する。詳しくは[[undevigintone|undevigintone <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]]を参照。57平均律は7倍音を効果的に純正に補正するが、最もよく適合するのは76平均律である。詳しくは[[meanmag|meanmag <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]]を参照。
</div>
</div>


Line 62: Line 62:
! 近似周波数比<ref>19平均律を2.3.5.7.13サブグループ音律として扱った場合に基づく。他のアプローチも可能である。</ref>
! 近似周波数比<ref>19平均律を2.3.5.7.13サブグループ音律として扱った場合に基づく。他のアプローチも可能である。</ref>
! colspan="3" | 音程
! colspan="3" | 音程
! [[Solfege|ソルフェージュ]]
! {{en仮リンク|ソルフェージュ|Solfege}}
! ドデカトニック表記
! ドデカトニック表記
|-
|-
Line 251: Line 251:
{| class="wikitable" style="text-align: center"
{| class="wikitable" style="text-align: center"
! クオリティ
! クオリティ
! [[Color name|カラーネーム]]
! {{en仮リンク|カラーネーム|Color name}}
! モンゾ表記
! モンゾ表記
! 例
! 例
Line 460: Line 460:
{| class="wikitable center-4 center-5 center-6"
{| class="wikitable center-4 center-5 center-6"
! rowspan="2" | [[純正律サブグループ|サブグループ]]
! rowspan="2" | [[純正律サブグループ|サブグループ]]
! rowspan="2" | [[Comma list|コンマリスト]]
! rowspan="2" | {{en仮リンク|コンマリスト|Comma list}}
! rowspan="2" | [[Mapping|マッピング]]
! rowspan="2" | {{en仮リンク|マッピング|Mapping}}
! rowspan="2" | 最適なオクターヴ伸縮幅 (¢)
! rowspan="2" | 最適なオクターヴ伸縮幅 (¢)
! colspan="2" | 誤差
! colspan="2" | 誤差
Line 508: Line 508:


{| class="commatable wikitable center-all left-3 right-4 left-6"
{| class="commatable wikitable center-all left-3 right-4 left-6"
! [[Harmonic limit|素数リミット]]
! {{en仮リンク|素数リミット|Harmonic limit}}
! [[Ratio|比率]]<ref>10桁を超える比率は、有益なヒントを含むプレースホルダーによって表示される。</ref>
! {{en仮リンク|比率|Ratio}}<ref>10桁を超える比率は、桁数を表記したプレースホルダーによって示される。</ref>
! [[モンゾ]]
! [[モンゾ]]
! [[セント]]
! [[セント]]
! [[Color notation/Temperament Names|カラーネーム]]
! {{en仮リンク|カラーネーム|Color notation/Temperament names}}
! 名前
! 名前
|-
|-
Line 727: Line 727:


===線形音律===
===線形音律===
* [[List of 19et rank two temperaments by badness|悪さ順の19平均律ランク2音律のリスト]]
* {{en仮リンク|悪さ順の19平均律ランク2音律のリスト|List of 19et rank two temperaments by badness}}
* [[List of 19et rank two temperaments by complexity|複雑さ順の19平均律ランク2音律のリスト]]
* {{en仮リンク|複雑さ順の19平均律ランク2音律のリスト|List of 19et rank two temperaments by complexity}}
* [[List of edo-distinct 19et rank two temperaments|19平均律の互いに異なるランク2音律のリスト]]
* {{en仮リンク|19平均律の互いに異なるランク2音律のリスト|List of edo-distinct 19et rank two temperaments}}
* [[Syntonic-kleismic equivalence continuum|Syntonic-kleismic等価連続体]]
* {{en仮リンク|Syntonic-kleismic等価連続体|Syntonic-kleismic equivalence continuum}}
※すべて英語版
 


19は素数であるため、19平均律のランク2の音律はすべて、オクターブごとに1つの周期を持つ(つまり線形)。したがって、音程とそれが生成する線形音律とを対応付けることができる。
19は素数であるため、19平均律のランク2の音律はすべて、オクターブごとに1つの周期を持つ(つまり線形)。したがって、音程とそれが生成する線形音律とを対応付けることができる。
Line 803: Line 803:
===MOSスケール===
===MOSスケール===
====オクターブ等価MOS====
====オクターブ等価MOS====
* [[meantone|ミーントーン]]ペンタトニック, [[2L 3s]] (gen = 11\19): 33535
* {{en仮リンク|ミーントーン|meantone}}ペンタトニック, [[2L 3s]] (gen = 11\19): 33535
* [[meantone|ミーントーン]]ダイアトニック, [[5L 2s]] (gen = 11\19): 3323332
* ミーントーンダイアトニック, [[5L 2s]] (gen = 11\19): 3323332
* [[meantone|ミーントーン]]クロマティック, [[7L 5s]] (gen = 11\19): 212122121212
* ミーントーンクロマティック, [[7L 5s]] (gen = 11\19): 212122121212
* [[semaphore|セマフォ]][5], [[4L 1s]] (gen = 4\19): 44344
* {{en仮リンク|セマフォ|semaphore}}[5], [[4L 1s]] (gen = 4\19): 44344
* [[semaphore|セマフォ]][9], [[5L 4s]] (gen = 4\19): 313133131
* セマフォ[9], [[5L 4s]] (gen = 4\19): 313133131
* [[semaphore|セマフォ]][14], [[5L 9s]] (gen = 4\19): 21211211211211
* セマフォ[14], [[5L 9s]] (gen = 4\19): 21211211211211
* [[sensi]][5], [[2L 3s]] (gen = 7\19): 52525
* [[sensi|sensi <span style="font-size: 80%;">(en)</span> ]][5], [[2L 3s]] (gen = 7\19): 52525
* [[sensi]][8], [[3L 5s]] (gen = 7\19): 23223223
* sensi[8], [[3L 5s]] (gen = 7\19): 23223223
* [[sensi]][11], [[8L 3s]] (gen = 7\19): 22122212221
* sensi[11], [[8L 3s]] (gen = 7\19): 22122212221
* [[negri]][9], [[1L 8s]] (gen = 2\19): 222232222
* [[negri|negri <span style="font-size: 80%;">(en)</span> ]][9], [[1L 8s]] (gen = 2\19): 222232222
* [[negri]][10], [[9L 1s]] (gen = 2\19): 2222212222
* negri[10], [[9L 1s]] (gen = 2\19): 2222212222
* [[kleismic]][7], [[4L 3s]] (gen = 5\19): 1414144
* [[kleismic|kleismic <span style="font-size: 80%;">(en)</span> ]][7], [[4L 3s]] (gen = 5\19): 1414144
* [[kleismic]][11], [[4L 7s]] (gen = 5\19): 13113113131
* kleismic[11], [[4L 7s]] (gen = 5\19): 13113113131
* [[kleismic]][15], [[4L 11s]] (gen = 5\19): 121112111211211
* kleismic[15], [[4L 11s]] (gen = 5\19): 121112111211211
* [[magic|マジック]][7], [[3L 4s]] (gen = 6\19): 5151511
* {{en仮リンク|マジック|magic}}[7], [[3L 4s]] (gen = 6\19): 5151511
* [[magic|マジック]][10], [[3L 7s]] (gen = 6\19): 4114114111
* マジック[10], [[3L 7s]] (gen = 6\19): 4114114111
* [[magic|マジック]][13], [[3L 10s]] (gen = 6\19): 3111311131111
* マジック[13], [[3L 10s]] (gen = 6\19): 3111311131111
* [[magic|マジック]][16], [[3L 13s]] (gen = 6\19): 2111121111211111
* マジック[16], [[3L 13s]] (gen = 6\19): 2111121111211111
* [[liese]][17], [[2L 15s]] (gen = 9\19): 2111111111211111111
* [[liese|liese <span style="font-size: 80%;">(en)</span> ]][17], [[2L 15s]] (gen = 9\19): 2111111111211111111




Line 828: Line 828:
* ミーントーンメロディックマイナー: 3233332
* ミーントーンメロディックマイナー: 3233332
* ミーントーンハーモニックメジャー: 3323242
* ミーントーンハーモニックメジャー: 3323242
* ミーントーン / [[marvel double harmonic major|マーベルダブルハーモニックメジャー]]: 2423242 (Negri[9]の部分集合)
* ミーントーン / {{en仮リンク|マーベルダブルハーモニックメジャー|marvel double harmonic major}}: 2423242 (Negri[9]の部分集合)
* エンハーモニックペンタトニック: 26326, 62362
* エンハーモニックペンタトニック: 26326, 62362
* エンハーモニックオクターヴ種: 1163116, 6113611, 1613161
* エンハーモニックオクターヴ種: 1163116, 6113611, 1613161
* [[Semiquartal]] 3|5 b2: 133131331
* [[Semiquartal|Semiquartal <span style="font-size: 80%;">(en)</span> ]] 3|5 b2: 133131331
* [[Marvel hexatonic|マーベルヘキサトニック]]: 425242 (subset of Negri[9])
* {{en仮リンク|マーベルヘキサトニック|Marvel hexatonic}}: 425242 (subset of Negri[9])
* [[Antipental blues|アンチペンタルブルース]]: 441244
* {{en仮リンク|アンチペンタルブルース|Antipental blues}}: 441244
</div>
</div>


Line 857: Line 857:
* [[Primer for 19edo]]
* [[Primer for 19edo]]
* [[Mason Green's New Common Practice Notation]]
* [[Mason Green's New Common Practice Notation]]
* [[Arto and Tendo Theory]]
* [[Arto and tendo theory]]
* [[Lumatone mapping for 19edo]]
* [[Lumatone mapping for 19edo]]
※すべて英語版
※すべて英語版