User:Triethylamine/draft: 19平均律: Difference between revisions
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完成版→[[19平均律]] | |||
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{{Infobox ET|19edo|debug=1}} | |||
'''19平均律'''、または'''19音平均律'''(英: 19 equal divisions of the octave, 19 equal temperament, '''19edo''', '''19et''')は、[[レギュラーテンペラメント]]の観点から見ると、オクターブを均等な19個のステップに分割した調律システムである。 | '''19平均律'''、または'''19音平均律'''(英: 19 equal divisions of the octave, 19 equal temperament, '''19edo''', '''19et''')は、[[レギュラーテンペラメント]]の観点から見ると、オクターブを均等な19個のステップに分割した調律システムである。 | ||
それぞれのステップの周波数比は2の19乗根であり、約 63.158 [[セント]]である。 | |||
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==<span lang="ja">理論</span>== | |||
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===歴史=== | ===歴史=== | ||
この調律システムへの関心は16世紀、作曲家のGuillaume Costeleyが1558年に自身のシャンソン ''[[Seigneur Dieu ta pitié]]'' に使用した頃にさかのぼる。Costeleyはこの調律のサーキュレート的な性質を理解し、また欲しており、彼はこの調律を、純正長2度を3つのほぼ等しい間隔に分割するものと定義した。Costeleyは減3度などの音程を活用した作品も作った。減3度は19平均律としては意味を持つが、当時の他の調律システムでは意味のないものである。 | この調律システムへの関心は16世紀、作曲家のGuillaume Costeleyが1558年に自身のシャンソン ''[[Seigneur Dieu ta pitié]]'' に使用した頃にさかのぼる。Costeleyはこの調律のサーキュレート的な性質を理解し、また欲しており、彼はこの調律を、純正長2度を3つのほぼ等しい間隔に分割するものと定義した。Costeleyは減3度などの音程を活用した作品も作った。減3度は19平均律としては意味を持つが、当時の他の調律システムでは意味のないものである。 | ||
1577年、音楽理論家のFrancisco de Salinasは、 | 1577年、音楽理論家のFrancisco de Salinasは、{{en仮リンク|1/3-コンマミーントーン|1/3-comma meantone}}を提案した。その5度の大きさは約 694.786 セントである。19平均律の5度は約 694.737 セントであり、これは約12分の1セント程度低いだけに過ぎない。Salinasはオクターブをこの方法で19音に調律することを提案したが、19平均律と比べて1セントにも満たない差しかないので、彼の提案は実質19平均律であった。 | ||
1835年、数学者であり音楽理論家のWesley Woolhouseは、彼自身がより良いミーントーン調律だと考えている | 1835年、数学者であり音楽理論家のWesley Woolhouseは、彼自身がより良いミーントーン調律だと考えている{{en仮リンク|50平均律|50edo}}などの、より実用的な代替手段としてこの音律を提案した([http://www.tonalsoft.com/sonic-arts/monzo/woolhouse/essay.htm Woolhouseのエッセイの要約])。 | ||
===他の音律への近似として=== | ===他の音律への近似として=== | ||
19平均律の最も顕著な特徴は、ほとんど純正な短3度と、約7セント狭い完全5度・長3度を持っているため、 | 19平均律の最も顕著な特徴は、ほとんど純正な短3度と、約7セント狭い完全5度・長3度を持っているため、{{en仮リンク|ミーントーン|Meantone}}音律に適した調律として機能する所である。また、長3度5つの音程が「12度」(=完全5度+1オクターブ)1つに等しいので、{{en仮リンク|マジック|Magic}}/{{en仮リンク|マグルズ|Muggles}}音律にも適している。 | ||
しかし、これら全てに対して、より適した調律が存在する。例えば、19平均律の5度はミーントーンの通常の5度よりも低く、より正確な近似としては[[31平均律]]がある。同様に、マジック音律の[[ジェネレーターとピリオド|ジェネレーター]]は長3度であるが、これも19平均律では低く、 | しかし、これら全てに対して、より適した調律が存在する。例えば、19平均律の5度はミーントーンの通常の5度よりも低く、より正確な近似としては[[31平均律]]がある。同様に、マジック音律の[[ジェネレーターとピリオド|ジェネレーター]]は長3度であるが、これも19平均律では低く、{{en仮リンク|41平均律|41edo}}がより正確に合う。マグルズ音律には適した調律になるが、19平均律の場合はマジックと同じとなる。また、19平均律7ステップの上長3度は[[sensi|sensi <span style="font-size: 80%">(en)</span> ]]に使うことができる。sensiのジェネレーターはかなり高い長3度で、2つで長6度([[5/3]])に近似する。しかし、sensiの13-リミット近似には{{en仮リンク|27平均律|27edo}}や{{en仮リンク|46平均律|46edo}}の方がより適している。 | ||
しかし、これら全てにおいて、19平均律には必要なピッチがより少なくて済むという実践的な利点があり、その結果物理的な実現がより簡単になる(実際、たくさんの19平均律楽器が制作されてきている)。 | |||
19平均律は、[[12平均律]]に次いで二番目の、5-リミット音楽を許容出来る方法で扱うことのできる平均律であり、また、12平均律に次いで五番目の | 19平均律は、[[12平均律]]に次いで二番目の、5-リミット音楽を許容出来る方法で扱うことのできる平均律であり、また、12平均律に次いで五番目の{{en仮リンク|ゼータ積分平均律|The Riemann zeta function and tuning #Integral of zeta edos}}である。7倍音系短三度([[7/6]])と7倍音系全音([[8/7]])の間の区別がなくなってしまうので、19平均律は7-リミットではあまり上手くいかない(しかし12平均律よりは良い)。 | ||
19平均律は [[negri]], [[keemun]], | 19平均律は [[negri|negri <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]], [[keemun|keemun <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]], {{en仮リンク|ゴジラ|Godzilla}}, マジック/マグルズ, [[triton|triton <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]]/[[liese|liese <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]]に最適であり、さらにsensiにもかなり適しているという利点を有している。keemunやnegriはとてもシンプルな7-リミット音律であるという点で注目に値し、19平均律におけるMOSスケールは非常に豊富な7倍音系四和音を提供する。7-リミット四和音の{{en仮リンク|Graham複雑度|Graham complexity}}はkeemunでは6、negriでは7、ゴジラでは8、ミーントーンでは10、tritonでは11、マジック/マグルズでは12、そしてsensiでは13である。 | ||
ゼータ積分調律なので、13-リミットは比較的よく表現されているが、一貫性がある表現がされているのは 2.3.5.7.13 サブグループのみである。実際には、19平均律は音を上にベンドできる楽器に適応的に使用できる。さまざまな大きさで、3, 5, 7, および13倍音はすべて低くチューニングされる。同じことは12平均律では言えず、12平均律では 5, 7倍音が19平均律の場合よりも純正から遠くなるだけでなく、かなり高くなる。19平均律のnegri, sensi, | ゼータ積分調律なので、13-リミットは比較的よく表現されているが、一貫性がある表現がされているのは 2.3.5.7.13 サブグループのみである。実際には、19平均律は音を上にベンドできる楽器に適応的に使用できる。さまざまな大きさで、3, 5, 7, および13倍音はすべて低くチューニングされる。同じことは12平均律では言えず、12平均律では 5, 7倍音が19平均律の場合よりも純正から遠くなるだけでなく、かなり高くなる。19平均律のnegri, sensi, {{en仮リンク|セマフォ|semaphore}}スケールには13-リミットのコードが多く含まれている。(通常のディミニッシュスケールに対する19平均律の対応物としてsensi[8] [[3L 5s|3L 5s <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]] MOSスケールを思い浮かべてみよ。どちらも2つのディミニッシュセブンスコードで構成されているが、sensi[8] では7と13倍音の追加の比率が得られる。) | ||
別の選択は、伸長されたオクターブを使用することだ。ゼータ関数的に最適な調律のオクターブは約 1203 セントである。弦楽器、特にピアノは、弦に固有のインハーモニシティのため、オクターブを伸ばして調律されることが多いため、19平均律はそれらにとって有望な選択肢となる。オクターブ伸長は、チューニングがずれている音程を、ほぼ正確に調整した、複合したあるいは反転した音程に置き換えることができることも意味する。たとえば、[[93ed30]](30/1が純正である19平均律の変形)を使用すれば、ほぼ純正な短3度(6/5)、複合長3度(5/1)、および複合5度(6/1)が得られ、5-リミット調性ダイヤモンド内のすべての比が提供される。複合メジャー三和音とマイナー三和音(1:5:6 および 30:6:5)も同様にほぼ純正となる。 | 別の選択は、伸長されたオクターブを使用することだ。ゼータ関数的に最適な調律のオクターブは約 1203 セントである。弦楽器、特にピアノは、弦に固有のインハーモニシティのため、オクターブを伸ばして調律されることが多いため、19平均律はそれらにとって有望な選択肢となる。オクターブ伸長は、チューニングがずれている音程を、ほぼ正確に調整した、複合したあるいは反転した音程に置き換えることができることも意味する。たとえば、[[93ed30|93ed30 <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]](30/1が純正である19平均律の変形)を使用すれば、ほぼ純正な短3度(6/5)、複合長3度(5/1)、および複合5度(6/1)が得られ、5-リミット調性ダイヤモンド内のすべての比が提供される。複合メジャー三和音とマイナー三和音(1:5:6 および 30:6:5)も同様にほぼ純正となる。 | ||
===ハーモニーを拡張する手段として=== | ===ハーモニーを拡張する手段として=== | ||
19平均律は 12平均律よりも多くの調和した協和ハーモニーを実現できるため、4度堆積、2度堆積、ポリコードなどの代替のハーモニーを使用する場合に適している。[[William Lynch|William Lynch< | 19平均律は 12平均律よりも多くの調和した協和ハーモニーを実現できるため、4度堆積、2度堆積、ポリコードなどの代替のハーモニーを使用する場合に適している。[[William Lynch|William Lynch <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]]は、不完全とみなされている三和音とともに、さまざまな種類のセブンスコードを基本的な響きとして扱うことを提案している。12平均律では衝突する傾向がある、7倍音や他の非ダイアトニックコード的拡張を含む、より高次倍音への拡張は、19平均律ではより良く調和する。 | ||
さらに、[[Joseph Yasser]]は、その内の7音メジャースケールが西洋音楽のペンタトニックに似たものになる、19平均律の12音スプラダイアトニックスケールのアイデアについて話している。将来の世代には曖昧で、トーンに活力がないように聴こえるかもしれない。言い換えれば、「音の重力という否定できない法則が存在するシステムでありながら、はるかに複雑な音の世界」である。Yasserは、音楽は最終的には12音スプラダイアトニックスケールを備えた19音システムに移行し、標準になるだろうと信じていた。これはまだ実現していないが、Yasserのスプラダイアトニック性の概念は興味深いものであり、異質に聴こえすぎずに調性を拡張したい人にとっては検討する価値がある。 | さらに、[[Joseph Yasser|Joseph Yasser <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]]は、その内の7音メジャースケールが西洋音楽のペンタトニックに似たものになる、19平均律の12音スプラダイアトニックスケールのアイデアについて話している。将来の世代には曖昧で、トーンに活力がないように聴こえるかもしれない。言い換えれば、「音の重力という否定できない法則が存在するシステムでありながら、はるかに複雑な音の世界」である。Yasserは、音楽は最終的には12音スプラダイアトニックスケールを備えた19音システムに移行し、標準になるだろうと信じていた。これはまだ実現していないが、Yasserのスプラダイアトニック性の概念は興味深いものであり、異質に聴こえすぎずに調性を拡張したい人にとっては検討する価値がある。 | ||
19平均律はまた、 | 19平均律はまた、{{en仮リンク|Bozujiチューニング|Bozuji tuning}}(Gioseffo Zarlinoの純正律へのアプローチに基づいた21世紀のチューニング) の音程のほとんどに非常に近似している。Bozujiチューニングの隣接するダイアトニックの減音程と増音程のほとんどは、19平均律の1つの音程で異名同音的に表される。 | ||
19平均律の狭い全音と広いダイアトニック半音は、ダイアトニックスケールにやや鈍い性質を与えるが、ペンタトニックスケールには逆の効果があり、狭い全音と広い短3度の間のコントラストが大きくなるため、より表現力豊かになる。12平均律には表現力豊かなダイアトニックと鈍いペンタトニックがあるが、19平均律ではその逆が当てはまる。したがって、19平均律ではペンタトニック中心主義(pentatonicism)がより重要になり、ペンタトニックスケールを一種の「スーパーコード」として使用し、「コード進行」をスーパーダイアトニックスケールのペンタトニック部分セット間の転調とするのが1つの選択となる。 | 19平均律の狭い全音と広いダイアトニック半音は、ダイアトニックスケールにやや鈍い性質を与えるが、ペンタトニックスケールには逆の効果があり、狭い全音と広い短3度の間のコントラストが大きくなるため、より表現力豊かになる。12平均律には表現力豊かなダイアトニックと鈍いペンタトニックがあるが、19平均律ではその逆が当てはまる。したがって、19平均律ではペンタトニック中心主義(pentatonicism)がより重要になり、ペンタトニックスケールを一種の「スーパーコード」として使用し、「コード進行」をスーパーダイアトニックスケールのペンタトニック部分セット間の転調とするのが1つの選択となる。 | ||
Line 44: | Line 48: | ||
===部分集合と上位集合=== | ===部分集合と上位集合=== | ||
19平均律は8番目の | 19平均律は8番目の{{en仮リンク|素数平均律|prime edo}}で、1つ前は[[17平均律]]、1つ後は[[23平均律]]である。 | ||
19平均律を2倍にした38平均律は、5-リミットマッピングのフラットな傾向とうまく機能する11倍音の近似を提供する。詳しくは[[undevigintone|undevigintone< | 19平均律を2倍にした38平均律は、5-リミットマッピングのフラットな傾向とうまく機能する11倍音の近似を提供する。詳しくは[[undevigintone|undevigintone <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]]を参照。57平均律は7倍音を効果的に純正に補正するが、最もよく適合するのは76平均律である。詳しくは[[meanmag|meanmag <span style="font-size: 0.8em;">(en)</span> ]]を参照。 | ||
</div> | |||
==音程== | ==<span lang="ja">音程</span>== | ||
五線譜や文字記譜(標準の臨時記号付き) | <div lang="ja"> | ||
五線譜や文字記譜(標準の臨時記号付き)、ソルフェージュ、sargamなどいずれにおいても、標準の12平均律の記譜法を使用できる。D#とEbは2つの異なる音であることに注意。 | |||
{| class="wikitable right-1 right-2 center-5 center-7 center-8" | {| class="wikitable right-1 right-2 center-5 center-7 center-8" | ||
Line 56: | Line 62: | ||
! 近似周波数比<ref>19平均律を2.3.5.7.13サブグループ音律として扱った場合に基づく。他のアプローチも可能である。</ref> | ! 近似周波数比<ref>19平均律を2.3.5.7.13サブグループ音律として扱った場合に基づく。他のアプローチも可能である。</ref> | ||
! colspan="3" | 音程 | ! colspan="3" | 音程 | ||
! | ! {{en仮リンク|ソルフェージュ|Solfege}} | ||
! | ! ドデカトニック表記 | ||
|- | |- | ||
| 0 | | 0 | ||
Line 245: | Line 251: | ||
{| class="wikitable" style="text-align: center" | {| class="wikitable" style="text-align: center" | ||
! クオリティ | ! クオリティ | ||
! | ! {{en仮リンク|カラーネーム|Color name}} | ||
! モンゾ表記 | ! モンゾ表記 | ||
! 例 | ! 例 | ||
Line 251: | Line 257: | ||
| ディミニッシュ | | ディミニッシュ | ||
| zo | | zo | ||
| {{monzo|a b 0 1}} | | {{monzo|''a'' ''b'' 0 1}} | ||
| 7/6, 7/4 | | 7/6, 7/4 | ||
|- | |- | ||
| rowspan="2" | マイナー | | rowspan="2" | マイナー | ||
| fourthward wa | | fourthward wa | ||
| {{monzo|a b}} (b < -1) | | {{monzo|''a'' ''b''}} (''b'' < -1) | ||
| 32/27, 16/9 | | 32/27, 16/9 | ||
|- | |- | ||
| gu | | gu | ||
| {{monzo|a b -1}} | | {{monzo|''a'' ''b'' -1}} | ||
| 6/5, 9/5 | | 6/5, 9/5 | ||
|- | |- | ||
| rowspan="2" | メジャー | | rowspan="2" | メジャー | ||
| yo | | yo | ||
| {{monzo|a b 1}} | | {{monzo|''a'' ''b'' 1}} | ||
| 5/4, 5/3 | | 5/4, 5/3 | ||
|- | |- | ||
| fifthward wa | | fifthward wa | ||
| {{monzo|a b}} (b > 1) | | {{monzo|''a'' ''b''}} (''b'' > 1) | ||
| 9/8, 27/16 | | 9/8, 27/16 | ||
|- | |- | ||
| オーギュメント | | オーギュメント | ||
| ru | | ru | ||
| {{monzo|a b 0 -1}} | | {{monzo|''a'' ''b'' 0 -1}} | ||
| 9/7, 12/7 | | 9/7, 12/7 | ||
|} | |} | ||
調号は同じだが、追加の音符や異なる異名同音により、一部の調号が乱雑になることがある。例えば、Bbbキーでは、BとEにダブルフラットが付き、C, D, F, G, Aにフラットが付く。これをA#に書き換えると良いように思われるかもしれないが、その場合、C, F, Gにダブルシャープが付き、A, B, D, | 調号は同じだが、追加の音符や異なる異名同音により、一部の調号が乱雑になることがある。例えば、Bbbキーでは、BとEにダブルフラットが付き、C, D, F, G, Aにフラットが付く。これをA#に書き換えると良いように思われるかもしれないが、その場合、C, F, Gにダブルシャープが付き、A, B, D, Eにシャープが付くことになり、実際にはより悪くなる。 | ||
すべての19平均律のコードは従来の方法を使用して名前を付けることができ、増/減2度、3度、6度、および7度を含むように拡張できる。zo, gu, yo, ruのトライアドは次のとおりである。 | すべての19平均律のコードは従来の方法を使用して名前を付けることができ、増/減2度、3度、6度、および7度を含むように拡張できる。zo, gu, yo, ruのトライアドは次のとおりである。 | ||
Line 333: | Line 339: | ||
|} | |} | ||
最後の2つのコードは、15\ | 最後の2つのコードは、15\19 の音程が 7/4 または 12/7 のいずれかであるとどのようにみなされうるか、および19平均律がどのようにzoとruの比率を混同しうるかを示している。 | ||
より完全なリストについては、 | より完全なリストについては、{{en仮リンク|19平均律のコードネーム|19edo Chord Names}}と{{en仮リンク|アップ & ダウン表記 #コードとコード進行|Ups and downs notation #Chords and Chord Progressions}}を参照。 | ||
</div> | |||
==純正音程への近似== | ==<span lang="ja">純正音程への近似</span>== | ||
<div lang="ja"> | |||
===15-奇数リミット音程の写像=== | ===15-奇数リミット音程の写像=== | ||
次の表は、15-奇数リミット音程が19平均律でどのように表現されるかを示す。主要倍音は'''太字'''で、一貫性のない音程は''斜体''で表す。 | 次の表は、15-奇数リミット音程が19平均律でどのように表現されるかを示す。主要倍音は'''太字'''で、一貫性のない音程は<span lang="ja">''斜体''</span>で表す。 | ||
{| class="wikitable center-all mw-collapsible mw-collapsed" | {| class="wikitable center-all mw-collapsible mw-collapsed" | ||
|+style=white-space:nowrap| 15-奇数リミット音程への直接近似 (一貫性の無いものも含む) | |+style=white-space:nowrap| 15-奇数リミット音程への直接近似 (一貫性の無いものも含む) | ||
Line 446: | Line 454: | ||
===代表的な17-リミット音程=== | ===代表的な17-リミット音程=== | ||
[[File:19ed2-001.svg|alt=alt : お使いのブラウザはSVG形式に対応しておりません。]] | [[File:19ed2-001.svg|alt=alt : お使いのブラウザはSVG形式に対応しておりません。]] | ||
</div> | |||
==レギュラーテンペラメント(regular temperament)の性質== | ==<span lang="ja">レギュラーテンペラメント(regular temperament)の性質</span>== | ||
<div lang="ja"> | |||
{| class="wikitable center-4 center-5 center-6" | {| class="wikitable center-4 center-5 center-6" | ||
! rowspan="2" | [[純正律サブグループ|サブグループ]] | ! rowspan="2" | [[純正律サブグループ|サブグループ]] | ||
! rowspan="2" | | ! rowspan="2" | {{en仮リンク|コンマリスト|Comma list}} | ||
! rowspan="2" | | ! rowspan="2" | {{en仮リンク|マッピング|Mapping}} | ||
! rowspan="2" | 最適なオクターヴ伸縮幅 (¢) | ! rowspan="2" | 最適なオクターヴ伸縮幅 (¢) | ||
! colspan="2" | 誤差 | ! colspan="2" | 誤差 | ||
Line 495: | Line 505: | ||
===コンマ=== | ===コンマ=== | ||
ヴァルを {{val|19 30 44 53 66 70}} としたとき、19平均律は次のコンマをテンパーアウトする。 | |||
{| class="commatable wikitable center-all left-3 right-4 left-6" | {| class="commatable wikitable center-all left-3 right-4 left-6" | ||
! | ! {{en仮リンク|素数リミット|Harmonic limit}} | ||
! | ! {{en仮リンク|比率|Ratio}}<ref>10桁を超える比率は、桁数を表記したプレースホルダーによって示される。</ref> | ||
! [[モンゾ]] | ! [[モンゾ]] | ||
! [[セント]] | ! [[セント]] | ||
! | ! {{en仮リンク|カラーネーム|Color notation/Temperament names}} | ||
! 名前 | ! 名前 | ||
|- | |- | ||
Line 717: | Line 727: | ||
===線形音律=== | ===線形音律=== | ||
* | * {{en仮リンク|悪さ順の19平均律ランク2音律のリスト|List of 19et rank two temperaments by badness}} | ||
* | * {{en仮リンク|複雑さ順の19平均律ランク2音律のリスト|List of 19et rank two temperaments by complexity}} | ||
* | * {{en仮リンク|19平均律の互いに異なるランク2音律のリスト|List of edo-distinct 19et rank two temperaments}} | ||
* | * {{en仮リンク|Syntonic-kleismic等価連続体|Syntonic-kleismic equivalence continuum}} | ||
19は素数であるため、19平均律のランク2の音律はすべて、オクターブごとに1つの周期を持つ(つまり線形)。したがって、音程とそれが生成する線形音律とを対応付けることができる。 | 19は素数であるため、19平均律のランク2の音律はすべて、オクターブごとに1つの周期を持つ(つまり線形)。したがって、音程とそれが生成する線形音律とを対応付けることができる。 | ||
Line 787: | Line 797: | ||
| [[Liese]] / [[pycnic]]<br>[[Triton]] | | [[Liese]] / [[pycnic]]<br>[[Triton]] | ||
|} | |} | ||
</div> | |||
==スケール== | ==<span lang="ja">スケール</span>== | ||
<div lang="ja"> | |||
===MOSスケール=== | ===MOSスケール=== | ||
====オクターブ等価MOS==== | ====オクターブ等価MOS==== | ||
* | * {{en仮リンク|ミーントーン|meantone}}ペンタトニック, [[2L 3s]] (gen = 11\19): 33535 | ||
* | * ミーントーンダイアトニック, [[5L 2s]] (gen = 11\19): 3323332 | ||
* | * ミーントーンクロマティック, [[7L 5s]] (gen = 11\19): 212122121212 | ||
* | * {{en仮リンク|セマフォ|semaphore}}[5], [[4L 1s]] (gen = 4\19): 44344 | ||
* | * セマフォ[9], [[5L 4s]] (gen = 4\19): 313133131 | ||
* | * セマフォ[14], [[5L 9s]] (gen = 4\19): 21211211211211 | ||
* [[sensi]][5], [[2L 3s]] (gen = 7\19): 52525 | * [[sensi|sensi <span style="font-size: 80%;">(en)</span> ]][5], [[2L 3s]] (gen = 7\19): 52525 | ||
* | * sensi[8], [[3L 5s]] (gen = 7\19): 23223223 | ||
* | * sensi[11], [[8L 3s]] (gen = 7\19): 22122212221 | ||
* [[negri]][9], [[1L 8s]] (gen = 2\19): 222232222 | * [[negri|negri <span style="font-size: 80%;">(en)</span> ]][9], [[1L 8s]] (gen = 2\19): 222232222 | ||
* | * negri[10], [[9L 1s]] (gen = 2\19): 2222212222 | ||
* [[kleismic]][7], [[4L 3s]] (gen = 5\19): 1414144 | * [[kleismic|kleismic <span style="font-size: 80%;">(en)</span> ]][7], [[4L 3s]] (gen = 5\19): 1414144 | ||
* | * kleismic[11], [[4L 7s]] (gen = 5\19): 13113113131 | ||
* | * kleismic[15], [[4L 11s]] (gen = 5\19): 121112111211211 | ||
* | * {{en仮リンク|マジック|magic}}[7], [[3L 4s]] (gen = 6\19): 5151511 | ||
* | * マジック[10], [[3L 7s]] (gen = 6\19): 4114114111 | ||
* | * マジック[13], [[3L 10s]] (gen = 6\19): 3111311131111 | ||
* | * マジック[16], [[3L 13s]] (gen = 6\19): 2111121111211111 | ||
* [[liese]][17], [[2L 15s]] (gen = 9\19): 2111111111211111111 | * [[liese|liese <span style="font-size: 80%;">(en)</span> ]][17], [[2L 15s]] (gen = 9\19): 2111111111211111111 | ||
Line 818: | Line 828: | ||
* ミーントーンメロディックマイナー: 3233332 | * ミーントーンメロディックマイナー: 3233332 | ||
* ミーントーンハーモニックメジャー: 3323242 | * ミーントーンハーモニックメジャー: 3323242 | ||
* ミーントーン / | * ミーントーン / {{en仮リンク|マーベルダブルハーモニックメジャー|marvel double harmonic major}}: 2423242 (Negri[9]の部分集合) | ||
* エンハーモニックペンタトニック: 26326, 62362 | * エンハーモニックペンタトニック: 26326, 62362 | ||
* | * エンハーモニックオクターヴ種: 1163116, 6113611, 1613161 | ||
* [[Semiquartal]] 3|5 b2: 133131331 | * [[Semiquartal|Semiquartal <span style="font-size: 80%;">(en)</span> ]] 3|5 b2: 133131331 | ||
* | * {{en仮リンク|マーベルヘキサトニック|Marvel hexatonic}}: 425242 (subset of Negri[9]) | ||
* | * {{en仮リンク|アンチペンタルブルース|Antipental blues}}: 441244 | ||
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==楽器== | ==<span lang="ja">楽器</span>== | ||
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[[File:Vaisvil-19edo-guitar-IMG00145-1024x768.jpg|512x384px|thumb|none|Brad Smithによるアイバニーズ・ギターの19平均律への変換 (インディアナポリス)]] | [[File:Vaisvil-19edo-guitar-IMG00145-1024x768.jpg|512x384px|thumb|none|Brad Smithによるアイバニーズ・ギターの19平均律への変換 (インディアナポリス)]] | ||
[[File:Bass19.jpg|alt=19edo 5 string Bass 34"-37" scale length|512x384px|thumb|none|Ron Swordによる19平均律へのベースの変換]] | [[File:Bass19.jpg|alt=19edo 5 string Bass 34"-37" scale length|512x384px|thumb|none|Ron Swordによる19平均律へのベースの変換]] | ||
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==音楽== | ==<span lang="ja">音楽</span>== | ||
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{{Main| 19edo/Music}} | {{Main| 19edo/Music}} | ||
{{Catrel|19edo tracks}} | {{Catrel|19edo tracks}} | ||
'''[http://micro.soonlabel.com/19-ET/ XA 19-ET Index]''' | '''[http://micro.soonlabel.com/19-ET/ XA 19-ET Index]''' | ||
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==関連項目== | ==<span lang="ja">関連項目</span>== | ||
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* [[19edo modes]] | * [[19edo modes]] | ||
* [[19edo chords]] | * [[19edo chords]] | ||
Line 841: | Line 857: | ||
* [[Primer for 19edo]] | * [[Primer for 19edo]] | ||
* [[Mason Green's New Common Practice Notation]] | * [[Mason Green's New Common Practice Notation]] | ||
* [[Arto and | * [[Arto and tendo theory]] | ||
* [[Lumatone mapping for 19edo]] | * [[Lumatone mapping for 19edo]] | ||
※すべて英語版 | ※すべて英語版 | ||
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==脚注== | ==<span lang="ja">脚注</span>== | ||
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<references /> | <references /> | ||
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==参考文献== | ==<span lang="ja">参考文献</span>== | ||
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※英語版からそのまま転載 | ※英語版からそのまま転載 | ||
* Bucht, Saku and Huovinen, Erkki, ''Perceived consonance of harmonic intervals in 19-tone equal temperament'', CIM04_proceedings. | * Bucht, Saku and Huovinen, Erkki, ''Perceived consonance of harmonic intervals in 19-tone equal temperament'', CIM04_proceedings. | ||
* Levy, Kenneth J., ''Costeley's Chromatic Chanson'', Annales Musicologues: Moyen-Age et Renaissance, Tome III (1955), pp. 213-261. | * Levy, Kenneth J., ''Costeley's Chromatic Chanson'', Annales Musicologues: Moyen-Age et Renaissance, Tome III (1955), pp. 213-261. | ||
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==外部リンク== | ==<span lang="ja">外部リンク</span>== | ||
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* [https://dic.nicovideo.jp/a/19%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%BE%8B 19平均律とは - ニコニコ大百科] | |||
* [https://ja.wikipedia.org/wiki/19%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%BE%8B 19平均律 - Wikipedia] | |||
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